テセウスの船

皆さんはテセウスの船という
パラドックスについて聞いたことはありますか?

この問題は

「同じ船を構成する部品をすべて置き換えたところで
その船は同じ船と呼べるか?」

という問題です。

アイデンティティに関する問題ですね。

この問題は身近な例がいくつかあります。

例1 企業

企業は

一定の期間でメンバーがすべて入れ替わります。
オフィスも移転したり、

果ては取り扱う商品が変わったりします。

そこまで変わり果てた企業は、
果たして創業当初と同じ企業といえるのでしょうか?

例2 部品点数の少ない道具

例えば斧です。

斧は刃と柄で構成されています。

古くなったので刃の部分を取り替えました。

次の年に柄が折れたので交換しました。

そうすると、元の斧を構成している
部品はなくなってしまいます。

しかし、使用者は同じ斧と認識することでしょう。

では、元の斧を構成していた部品で
もう一本斧を作ったら、

それもまた同じ斧なのでしょうか?

構造主義的な考え方を用いれば、1つの解が出せます。

構造主義的解決法

構造主義とは

あらゆる現象に対して、その現象に潜在する構造を抽出し、その構造によって現象を理解し、場合によっては制御するための方法論を指す語である

ウィキペディア「構造主義」より引用https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A7%8B%E9%80%A0%E4%B8%BB%E7%BE%A9

とあります。

この考え方を使うと、

同じ役割を果たしているのであれば、
実体が違っても価値は同じということになります。

つまり、

スパナAとスパナBは

ものこそ違うけれど
果たしている役割は同じなので

同じスパナである

ということになります。

何だか釈然としませんが、
そういうことだそうです。

では、現実ではどのように同一性を
定義しているのでしょうか?

いくつか例を見てみましょう。

現実での同一性の定義

自動車

例えば自動車では、
各部品に個体番号がついています。

これが各部品の同一性ですね。

そして、車検証などではボデーの
番号がその車として認められています。

つまり、車体がその車のアイデンティティ
なのですね。

家畜

現在の畜産業界では、

主に大型の家畜で
「トレーサビリティ制度」が
導入されています。

これは家畜一頭ごとに
個体番号を付けたタグを付与することによって

家畜の状態や数を正確に把握することが
出来る制度です。

これによって、

例えば群れで管理されていた
ものから

個々のアイデンティティが
確立されたといってもよいでしょう。

まとめ

自分はどこまでが自分なのだろうか

時折考えたくなる問題ですね。

皆さんはどのように考えますか?

今回はここまでです。
ご覧いただき、ありがとうございました。

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