二次創作について考える

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二次創作の立ち位置と暗黙の了解

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか。

緊急事態宣言下で家にこもっている人もいるのではないでしょうか。そうするとゲームに触れる機会も増えてきます。私も最近ハマってしまったゲームがあり、楽しい時間を過ごしています。

さて、私もハマっているゲームはちょっと題材が特殊で、権利関係がゲーム業界だけに完結していません。なので二次利用とか成人向けの仕様がどうとか、色々と話題になっている所をよく見るのでどういう問題があるのかとか、そういった話題をよく見かけます。

私もブログで画像を貼ったり文章の引用をしたりします。特に広告を貼ったりする関係で著作権については色々と調べました。またイラストも描きます。ファンアートを描いてSNSに投稿したりしています。

そういったことで著作権についてはちょっと調べています。今回は私の思う二次創作との付き合い方について、書いていきます。

概要

私の二次創作に対してのスタンスは、騒がないこと、日の下に出さないこと。この2つです。

二次創作そのものが権利者のお目こぼしで成り立っているため、過度に騒いでしまうと権利者の目に入らざるを得ず、権利者は対応せざるを得なくなってしまうからです。

これは二次創作界隈だけでなく、ちょっとアングラなことが好きな方や過激なことが好きな型にとっては必須なスタンスだと思います。

二次創作の法的な立ち位置

著作権法での二次創作の立ち位置

創作物は著作権によって保護されています。

二次創作物に対しては、二次著作物の創作権と利用権の2つがあります。

二次著作物の創作権

二次著作物の創作権とは、著作物(原作)を、翻訳、編曲、変形、脚色、映画化などにより、創作的に「加工」することによって、「二次的著作物」を創作することに関する権利のことです。

この権利によって、二次創作をするためには著作権者に許可を取らなくてはいけません。

二次創作物の利用権

二次創作物の利用権とは、自分の著作物(原作)から創られた「二次的著作物」をさらに第三者が利用すること(「二次的著作物」を利用すること)に関する原作者の権利のことです。

この権利によって、二次創作物をさらに利用したい場合には、二次利用した人(二次的著作者)だけでなく原作者(一次的著作者)にも許可を取る必要があることになります。

つまり、二次利用がしたい場合は大本の著作者まで許可を取らなければいけないことになります。

二次創作は法的にはアウト

以上のことから、著作権法上において著作権者の許可なく二次創作を行うことは法的には認められないことになります。

つまり、個人やごく少数で楽しむ、あるいは教育目的での利用でない限りは我々がSNSや動画サイトなどで見ているファンアートやマッドなどは著作権を侵害しているものとなります。

作品の原作側にとって、有無を言わせず二次利用禁止をうたい、片端から二次創作を制限すると、コンテンツに悪影響が出ます。活発な二次創作は、コンテンツの活発化につながります。

しかし勝手にグッズを制作して販売されたり、キャラクターを貶めるような創作をされるとコンテンツのイメージに悪影響が出ます。

健全な二次創作をしてもらうため、一部企業などでは二次利用に対するガイドラインを定め、それを逸脱しない範囲での二次利用に対し許諾を求めない所もあります。

営利目的ではないものは見逃されている

ただし、よほど問題があるものや極端に利益を出しているものでなければ見逃されているのが現状です。

理由としては、二次創作の母数が多すぎて個別に対処するのが事実上不可能なこと、過度な二次創作への締め付けはコンテンツの成長を妨げることなどがあります。

特に同人活動においては、販売ではなくファン同士の頒布活動として、見逃されているというのが現状です。

つまり、特に同人活動においては黒に近いグレーとして見逃してもらっているということになります。

著作権侵害の罰則

著作権者の許容できる範囲を逸脱した二次創作はどうなるのかというと、まずは権利者からの販売あるいは公開の停止(と損害賠償の支払い要求がある可能性も)が要請されます。

それに従わなかった場合には裁判で争うことになりますが、民事での差し止め、損害賠償請求、名誉回復措置に加えて刑事罰に問われた場合には10年以下の懲役か1000万円以下の罰金となります。かなり重い罰則ですね。

許諾をとればいい?

著作権侵害をせずに二次創作活動をしたいならば、まずはそのコンテンツの二次創作に対する立場を調べます。近年では二次創作に対するガイドラインを作っているコンテンツも増え、どこまでなら許諾なしで二次創作が可能か示してくれているところもあります。

ではそういったガイドラインが無い、あるいは二次利用については禁止としているところのコンテンツは二次創作を全く歓迎していないのでしょうか?

そんなことはありません。むしろ、健全なファン活動の範囲であれば多くの場合黙認してくれます。

二次創作は暗黙の了解で成り立っている

二次創作は水面下での力

繰り返しになりますが、二次創作は法的には完全にアウトです。著作権侵害と訴えられてしまうと重い罰則が待っています。にもかかわらずコミックマーケットなどで二次創作の作品が販売されているのは権利者の「創作活動を許容したい」という意識のためです。

あくまでファン活動の内に収めること、作品を過度に貶めることをしないことなど、二次創作をする者の間と権利者とのあいだで暗黙の了解が形成されているのです。

無理に日の下にさらしてはいけない

二次創作は悪い言い方をしてしまえば一次創作の寄生をしているようなものです。

しかし、あのキャラクターのこんな絵が書きたい!こんなエピソードが見たい!といった欲望があるのは事実ですし、その欲望から新たな良作が生まれることもあります。

二次創作の要素が一次創作に反映されることもあります。

しかし、それを「みつけてしまう」と対処せざるを得ないことがあるのもまた事実です。もちろん、ならんことはならん!という方もいるでしょう。

近年、SNSの普及などによりそういった方をより見かけるようになりました。

また、本来日の下に出るべきでなかった作品(内輪で楽しむべき作品)や内輪で楽しんでいたものが日の下に引きずり出されることも増えました。

白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき

水野忠邦の享保の改革は、清廉すぎる手法で民衆の強い反発によって6年の短さで終わりを告げました。

全部が全部澄み渡った水になってしまうと、そこでは生きられない生き物も出てくるのです。

まとめ

二次創作は作る側と著作権者側の暗黙の了解によって成り立っています。

もちろん、その暗黙の了解(一般常識の範囲でのファン活動)を逸脱したもの、権利者が定めたガイドラインを外れた二次創作活動は規制されなければいけません。

それは、コンテンツtの健全な発展を阻害するものですから。

しかし、SNS上で権利者に許可がどうだと意見をすることや、健全なファンアートにたいして攻撃することはまさに余計な行為そのものであるといえます。

二次創作を見つけた場合、それが拡散しても良いものなのか考えてください。

そして、内輪で楽しんでいそうな二次創作は拡散しないで自分の胸の内だけに秘めていてください。

二次創作はそれだけ危ういバランスの上に成り立っています。

どうかそのことを頭の片隅においていただけると幸いです。

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