万年筆を使おうと思ったら、インクがでなくて書けない…。もう壊れてしまったのかと絶望しますよね。でも、ちょっと待ってください。インクが乾いてしまっているだけかもしれません。万年筆は、繊細なところもありますが案外タフな筆記具です。
この記事で紹介する方法を使って、万年筆を洗ってみてください。インクのつまりが原因なら、簡単にまた万年筆を使うことができますよ。
※もしかしたら、インクが切れているだけかもしれません。インクの残量は確認しましたか?
万年筆を始めて使うという方にお勧めの万年筆を紹介しています。
【万年筆】初心者におすすめの万年筆はこれ!パイロットの「カクノ」を紹介 | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)
インクが詰まっているのかも
万年筆が書けなくなるトラブルで多いのがインクの詰まりです。長い間、万年筆を使っていませんでしたか?もしくは、日の当たるところに万年筆を置いていませんでしたか?
インクが乾くと、そこでインクの流れがストップしてしまうのでペン先までインクがいかなくなってしまいます。
ティッシュでインクが出ているかチェック
インクがペン先まで来ているか確認して見ましょう。ティッシュを丸めて、ペン先に軽く触れて見てください。ティッシュにじわっとインクが染み出さないのであれば、インクが詰まっている可能性が高いです。
万年筆は長期間放置しているとインクが詰まる
万年筆は、毛細管現象といって狭いところを液体が浸透する現象を使ってペン先までインクを送っています。
万年筆のペン先を見ていると、細い溝がペン先の根元からペン先まで伸びているのが分かりますよね。この細い溝を伝ってインクがペン先まで送られています。
この溝部分のインクが乾きやすく、乾いてしまうとインクの流れが止まってしまうので書けなくなってしまうんですね。
詰まりやすいインクの種類
使っているインクによっても、詰まりやすさが変わってきます。
ブルーブラック
ブルーブラックは、本来は染料系の青色のインクと、透明の酸化鉄溶剤からなります。酸化鉄溶剤によって高い耐久性を持ち、海外の青色インク文化の立役者となったインクです。
今のブルーブラックは顔料系インクが多く、本来のブルーブラックとは違うものが多いですが、顔料系インクによって高い耐久性を持っています。
その分、詰まりやすいインクといえます。
顔料インク
水に溶ける染料を使う染料系インクとは違い、顔料系インクは水に溶けずらい素材を細かい粒子にして溶け込ませています。イメージとしては、墨汁や水に溶いた片栗粉を思い浮かべて見てください。
顔料インクは水に溶けづらいですが、細かい粒子が入っているので水が乾くと粒子がそのまま残されてしまいます。そのため、完全に水に溶ける染料系インクよりも詰まりやすいインクになっています。
万年筆の詰まりの取り方
それでは、お待ちかねの万年筆のつまりをとる方法を書いていきます。用意するのは水を入れた容器とティッシュ。容器は紙コップなどの使い捨て出来るものか、万年筆専用に出来る容器にしましょう。コーヒーの空き瓶などがいいと思います。
万年筆のインクは水性
万年筆のインクは水性なので、専用の溶剤は必要ありません。むしろ、ペン先を痛めないように洗剤などは使わないようにしましょう。
ペン先をしっかりと水に浸そう
ペン先が全部水に入るように浸しましょう。しばらくすると、ペン先からインクがにじみ出てきます。インクが出てくる量が多くなったら、水から出して水気を拭き取り、試し書きしてみましょう。
インクがまだ出ないようであれば、もう一度水につけましょう。何回か繰り返せば、必ずインクが出るようになります。
ペン先をぶつけないように注意!
ペン先が瓶の底に強く当たると、ペン先が変形してしまい上手く字が書けなくなってしまいます。そうなると買い替えか、専門店に修理を頼むしかありません。なるべくペン先を瓶の底に充てないように注意しましょう。
万年筆の洗浄の仕方
詰まっていなくても、万年筆は定期的に洗浄したほうがいいです。特に、新しいインクを試すときには色が混ざってしまわないように、念入りに洗浄してあげましょう。
カートリッジ式
カートリッジ式の万年筆は、インクの流れを作ることが出来ないので時間がかかります。ペン先を水の中にいれ、一晩放置しましょう。その後、水気を良く切り新しいカートリッジを入れます。最初は水っぽいインクが出てきますが、何回か試し書きすれば大丈夫です。
もしも時間がない、すぐに使いたい時は、スポイトをカートリッジ部分に当てて無理やり水流を作るという方法もあります。この方法は本来かからない圧力がペンにかかるので、自己責任でやってください。
吸入式
吸入式の万年筆は、吸入器を動かすことで「うがい荒い」のようにインクを洗い流すことができます。
ペン先を全て水の中に入れ、吸入器を操作しましょう。面白いぐらいにインクが出てきます。何回か水を変え、色が出てこなくなったら完了です。
インクコンバーターでカートリッジ式を吸入式にできる
カートリッジ式の万年筆は、対応したインクカートリッジにしか対応できません。そのため、カートリッジにない色や、他社のインクをそのままで使うことができません。
カートリッジの代わりにコンバーターという器具を差し込むことによって、カートリッジ式の万年筆でも吸入式と同じようにインクを吸い上げて使えるようになります。
万年筆を洗浄して気持ちよく使おう
万年筆を使い込んでくると、インクがたまったりして書き心地が悪くなったりします。定期的に洗浄することでいつでもスムーズな書き心地を維持しましょう!
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