内燃機関の生き残りについて

自動車

EV化の中で内燃機関が生き残る道を探る

2030年までに電気自動車化

12月3日に2030年までに純粋なガソリンエンジン車の新規生産をやめるという政策が打ち出されましたね。

この政策の是非や実現可能性は別として、確かに世界的に自動車の電動化は進められています。確かにモーター(電動機)駆動は扱いやすく、また自動運転とも相性のいい駆動方式です。

また、数十年で枯渇すると言われ続けている化石燃料資源の保護と代替として、早く普及したいというのも分かります。

ただ、内燃機関好きとしては、内燃機関は生き残りの道がないのか心配になってきます。ですので今回は、特に自動車の動力について内燃機関とモーター駆動の比較をし、脱化石燃料の進む中での生き残りの方法を探してみようと思います。

内燃機関とモーターの比較

内燃機関とモーターについて、簡単に比較したものを表にまとめました。

内燃機関モーター(電動機)
パワーバンド回転数によって出力されるパワーが変わる。特に低回転では非力パワーはどの回転でも変わらない。低回転でもパワーがある
動力供給源燃料電気
付属部品発電機、冷却機構、オイル機構などバッテリーと減速機、配線
副産物排気ガスなし

比較から見ると、モーターの方が動力としては優れているように見えます。部品点数が少なく済み、排ガスも出さない。多くの列車が電動化されているのもうなずけます。しかし、自動車に関しては重要な要素で、モーター駆動は内燃機関に遅れを取っているんです。

燃料の再補充

その要素とは、「燃料の再補充」です!

内燃機関の車は空の状態からでも数分で満タンにすることが出来ます。しかし、バッテリーを積んでいる電気自動車では充電に数時間はかかります。どういうことかというと、一日に移動できる距離がどうしても制限されるということなのです。

ロングドライブの際に、行き先でバッテリーが切れてしまったら、数時間はそこから動くことが出来ません。これは不便だと思います。

ハイブリッド化の波

今のEVは日産自動車のリーフを除くと殆どが化石燃料を燃料とした内燃機関と電動機の組み合わさったハイブリッドカーです。「2030年までに全ての新規販売自動車をEVにする」という目標の電気自動車も、ハイブリッドカーを含めたものだそうです。

ハイブリッドカーは内燃機関の苦手な低回転時に補助的動力として使用することで運動性能の強化と環境性能の向上を狙ったものと、内燃機関を発電のためにのみ使うPHEV(プラグインハイブリッド)とがあります。

現在では殆どのハイブリッドカーがエンジンを動力としても使用するので、完全なPHEV車両はありません。

化石燃料を代替する

そもそもEV化する理由は、化石燃料による環境被害の軽減とCO2排出抑制のためです。その問題がクリアできればEVにこだわる必要は無いのでは?

ガソリンや軽油に代わる燃料は、様々な方法が考えられています。いくつか見てみましょう。

人工ガソリン

アウディやポルシェなど、いくつかの自動車製造企業がガソリンの作成の研究をしています。水素などを原料とし、既存のガソリンエンジンの環境負荷を抑えることが可能です。

この技術が本格化すれば、我々は環境負荷を気にせずにガソリンエンジンを搭載した古い車で大手を振ってドライブすることが出来ます。

水素燃料

特に燃料の爆発力がそのまま推力に繋がるジェットエンジンが主流の航空機業界では、水素が注目されていますね。水素といえば、理科の実験で過酸化水素水と二酸化マンガンで作った記憶のある方も多いと思います。

性質は非常に燃えやすく、酸素と混合した状態では爆発的に燃焼することも良く知られています。燃焼すると水が出るのみなので、環境負荷も小さくて済みます。

問題点は、現在の水素の生成方法が主に石油からの生成と電気分解しかなく、生産コストが高いことです。

まとめ

推進力としては13世紀から活用され、レシプロエンジンとしては1858年から使われているなど内燃機関の歴史はとても長いです。その中で改良が繰り返され今日まできました。その歴史は形を変えながらも未来まで続いていってくれると信じて、この記事を締めたいと思います。

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