自動車を自分で整備できるのはどこまでか解説【車 DIY】

自動車

自動車の整備って、思った以上にお金がかかります。新車価格もどんどん上がり、ガソリン代も右肩上がりの今、なるべく安い値段で車を維持していきたいですよね。

ある程度の日常整備は自分で出来るようになっておけば、整備にかかるお金を減らすことができるし、自動車への理解も深まってお得です。

でも、知識もないのに自分で整備して事故を起こしたら大変です。自動車は自分でどこまで整備できるのか、どこまでが安全な範囲なのか気になりますよね。今回は、その疑問にこたえるべくどこまで自分で整備することができるのかについて調べてみました。

ひとことでいえば、車検に通る限りはどこまででも自分で整備出来ます!その理由と、DIYで整備出来る難易度をレベル分けしてみたのでご覧ください。

自動車を自分で整備するということ

そもそも自動車の整備は使用者の義務です。自動車整備工場に修理や点検を依頼するのは、使う人の代わりに車の整備をしてもらっているということになります。

他のものに例えてみましょう。料理は自分で食べる分には何の資格も必要ありません。しかし、お客さんからお金をもらって料理を提供するには、調理師資格や保健所の認可などが必要になります。要するに、自動車の整備も料理と同じで、お金をもらって人に価値を提供する仕事だから資格が必要。ということになるわけです。

かといって、DIYでやろうと思ってもなかなかできないですよね。そこで今回は、用意する道具別に整備の難易度を種類分けしてみようと思います。

車検で自動車の安全性は保障されている

法律上は資格が必要なくても、道路を走る車には「道路車両運送法」「保安基準」によって自動車の各部には基準が定められています。

もちろん業者に整備を依頼する際は、この保安基準をクリアするように作業するわけですが、自分で作業するとその基準に達しているかの点検は難しいものです。

なので、整備をDIYで行うときには、この「保安基準」に差しさわりのない範囲で行うのが基本になってきます。

ちなみに、保安基準が分かりやすく乗っているハンドブックが自動車検査関係業務検討会から出版されています。保安基準に合った整備やカスタムの際に、分かりやすく基準を確認できるので持っておくといいでしょう。

自動車を整備するときの安全管理について↓

整備時の安全管理について | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)

初級編

初級編は主に目視での点検や洗車、部品の交換なしで行える整備になります。保安基準を気にする必要もなく、一般工具オイル処理キットぐらいですみます。注意するべき項目も少ないので、手軽に挑戦できます。

洗車

洗車は、一番簡単な整備と言えます。

洗車をすることで、サビの抑制、塗装の保護、視界の確保が出来るとともに、サビやタイヤの溝の確認、故障の早期発見などの点検を行うことができます。

リンクは洗車についての関連記事です。車体に優しい手洗い洗車の紹介になります。手洗い洗車のコツや、便利なアイテムが知りたいならぜひチェックしてください。

【自動車整備】手洗い洗車のやり方と洗車の流れを解説 | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)
泡で洗車するフォームガンを自作してみた | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)

タイヤ交換

自動車の車載工具でできる整備です。雪の降らない地方でもタイヤローテーションを行うことで、タイヤ1セット当たりの寿命を延ばすことが出来ます。年1回はタイヤを外し、ローテーションさせてあげましょう。

ちなみにタイヤローテーションはスペアタイヤも併用すれば車載ジャッキでも可能です。面倒くさいですけどね。リジッドラックとガレージジャッキが使えればもっと簡単になります。

タイヤ交換の方法はこちらをチェック↓

エンジンオイル交換

エンジンオイル6カ月または5000km毎の交換が推奨されており、最も交換頻度の高い油脂類です。用意するものは廃油受け、ポイパックなどの廃油処理用具、ドレンボルトに適したソケットレンチ替えのドレンボルトのワッシャー、可能であればトルクレンチです。

車高が低い車両ではリジッドラックガレージジャッキ平らで硬い地面が必要ですが、SUVなどの車高の高い車両ならそのままオイルを交換することができます。

抜いたオイルの状態を見ることでエンジンの状態を確認できるので、自分で交換して確認してみると面白いですよ。

もしもオイルに鉄粉が混じっていたり、白く濁っているなら要注意。鉄粉はエンジン内部の編摩耗の、白い濁りは水分の混入の可能性があります。

エンジンオイル 粘度で選ぶ選び方 | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)

ブレーキパッド交換

タイヤを外した際に一緒に行うことが出来ます。ブレーキパッドの交換は保安部品の交換に当たりますので、交換後の点検はしっかりとやりましょう。作業に不安があるのなら、ショップにお願いしたほうが確実で安全です。

ブレーキパッドの交換自体は難しい作業ではありません。工具もペンチとプライヤーとマイナスドライバーがあれば何とかなるでしょう。パッドの消耗具合を見ることでブレーキキャリパーのピストンの固着が判ったりします。

ブレーキパッドの交換はこちらの記事をチェック↓

ブレーキパッドの交換方法 | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)

オーディオ、カーナビ取り付け

電装系をいじる際にはバッテリーのマイナス端子を外しましょう。万が一の感電を防ぐことが出来ます。内張をはがす必要がありますが、まだ簡単なほうです。

ドライブレコーダーの取り付けも、車内配線をいじる必要があるものがあります。簡単な物ならシガーソケットから電源がとれるものもありますよ。
トラブルを避けるために!おすすめドライブレコーダー3選 | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)

中級編

作業にガレージジャッキが必要になってくる大がかりな作業です。作業にかかる時間も増え、取り外す必要のある部品も増えます。

サスペンション交換

パンタジャッキでも出来ないことはないですが、ガレージジャッキが推奨です。もちろんリジッドラックも使います。

特にフロントのサスペンション交換をした際は、アライメント調整の必要があります。アライメント調整は車種によって方法が違い、車の直進安定性に影響が出るので難しい作業です。

スパークプラグ交換

普通はエンジンルームからアクセスしやすい位置にあるため交換は容易です。工具はプラグレンチあるいは6角のディープソケットが必要です。

スバルの水平対向エンジンや、ターボ車などでエンジン上部に補器類が乗っていたりするとアクセスが非常に大変なので、作業難易度が格段に上がります。

デフオイル交換

ガレージジャッキでリフトアップ後、リジッドラックで固定してから交換します。デフは車両の下部についているため、注入には圧送ポンプが必要な場合があります。

ミッションオイル交換

普通自動車であればジャッキアップは必須になります。ミッションは車体の中央付近にあるため、車体下に潜っての作業が必要になります。

ブレーキフルード交換

ブレーキフルード交換はエア抜き作業が鬼門です。一人ではまず無理と言えるので、誰か一緒に作業してくれる人が必要です。

またブレーキフルードが塗装面に付着したらすぐに拭き取り、大量の水で洗いましょうブレーキフルードは塗装を痛めるので、放置していると塗装がはがれ、サビの原因になってしまいます。

ブレーキキャリパーオーバーホール

ブレーキフルードを抜いたらセットでやっておきたい作業です。ピストンを抜くのに専用の工具やエアツールが必要になります。また、ダストブーツの組付けにもコツがいり、上手くはまらないと水や異物の侵入を招きます。

上級編

大型部品の積み下ろしや繊細な調節が必要になります。また車種に合わせた特殊工具が必要になる場合があります。

エンジン積み下ろし

クレーンが必要になります。補器類や各種配管などの取り外しなど非常に面倒な作業です。エンジンの上げ下ろしをするようになれば、あなたは最早DIYマスターです。

エンジンを下したわけではありませんが、エンジンを一部開けて整備した記事です↓

GC8右ロッカーアームカバー交換 | トロコスの雑記ブログ (torocos.com)

ミッション積み下ろし

ミッションは非常に重たい部品です。下に潜っての作業になるので安全には十分に配慮する必要があります。

クラッチ交換

ミッションかエンジンのどちらかを外す必要があります。クラッチ自身にもセンタリングが必要なので、計測用の装備も含めて専用の工具をそろえる必要もあります。

超級編

エンジン、ミッションオーバーホール

エンジンやミッションのオーバーホールは、専門のスキルを持った整備士が行うような繊細でハイレベルな整備になります。オーバーホールが出来れば、あなたはりっぱな変態DIYマスターです。

まとめ

自動車DIYには資格は必要ありません。しかし、違法改造に手を出さない良識と、自動車に対する深い知識と、工具類、十分な設備が必要になってきます。

しかし、整備を自分で行うことは自動車への理解を深める一番の教材として、とても勉強になる作業です。なのでぜひとも、まずは洗車、油脂類の交換から挑戦してみてください。自動車に触れることで、自動車への愛情も深くなりますよ。

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