私はお酒が好きです。普段は節制するのですが、たまに友人と楽しくお酒を飲んだ次の日などに、頭痛と吐き気とともに最悪な目覚めを経験して、「またやってしまった…。」と思うことがよくあります。みなさんも経験あるのではないでしょうか。
あの頭がキリキリ痛むのも、寝ても起きてもグラグラするめまいと、収まらない吐き気はイヤになりますよね。今回は、あのいやな二日酔いにならないための方法と、それでも二日酔いになってしまった時の苦痛を和らげる方法を紹介します。
どうして二日酔いになったのか
そもそもどうして二日酔いは起きるのか。それがわかれば、対策も打つことができますよね。二日酔いの原因を紹介します。
二日酔いは飲みすぎによって起きる
私たちみんなが知っていることですが、二日酔いはお酒の飲みすぎによって起きます。アルコールは本来人体にとって有害な物質です。犬に玉ねぎやチョコレートを与えてはいけないように、体に入れるべきではないものなんです。しかし、私たちはお酒を飲みます。アルコールの摂取による麻痺効果で楽しい気持ちになれるからです。
アセトアルデヒドが体に残っている
体内に入ったアルコールは、肝臓によってアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドはさらに酢酸に分解され、ここで初めて人体にとって無害になります。
このアセトアルデヒド。体内ではフラッシング反応(顔が赤くなる。吐き気がする。動悸がする。眠くなる。)を起こします。
アセトアルデヒドはアルコールの分解で発生するほかにも、自動車の排ガスやタバコ、合板の接着剤に含まれており、シックハウス症候群の原因となることもあるようです。
脳がむくんでいる
お酒を飲むと、血管が膨張します。膨張した血管の隙間から水分が漏れ出し、むくみを引き起こします。むくみが脳内で起きると、むくんだ脳は頭蓋骨の中で圧迫され、それが頭痛を引き起こすといわれています。
二日酔いのときの体のダメージ
二日酔いの症状は、アセトアルデヒドによって起こされるフラッシング反応が主です。細かい症状を見ていきましょう。
頭痛
むくんだ脳が頭蓋骨内で圧迫されることによって起きます。ズキズキとうずく痛みは、気力を根こそぎ奪い取っていきます。
吐き気
アセトアルデヒドによって起きます。有害なアルコールを吸収される前に体外に出したいのなら、吐き出すのが一番いいというのは理にかなっていますよね。
胃のムカムカ
胃酸過多によって、胃壁が荒れます。これによって胃がムカムカします。二日酔いで何度も吐くことによって、より胃や食道にダメージが行くので、胃のムカムカは長く続きます。
頭痛を抑える方法
とにかく痛む頭を何とかしないと、仕事にも手がつかないし何より気分が悪いです。しかし、脳のむくみによるものなので、根本的な解決は時間によるものしかありません。辛い頭痛を少しでも和らげる方法を紹介します。
水分を摂る
むくんでいるのに水分?と思うかもしれませんが、頭痛の原因であるアセトアルデヒドを体外に排出するには、しっかり水分をとらないといけません。
頭痛薬を飲む
頭痛薬を飲むことで、痛みを和らげるという方法もあります。二日酔いによる頭痛は、体がアセトアルデヒドを早く排出してくれるのを待つしかないので、その間の時間をなるべく痛みを抑えて過ごしましょう。
頭や目の周りを冷やす
頭を冷やすことによって、広がった血管を収縮させ、むくみを軽減します。また、冷やすことで気分をリフレッシュさせることもできます。
頭痛に効くツボを押す
百会(ひゃくえ)という頭頂部にあるツボが頭痛に効きます。1回1分ぐらい押しましょう。
吐き気を抑える方法
二日酔いの頭痛に並ぶイヤなところが吐き気です。立って吐き気。座って吐き気。ひどい時には横になっても吐き気に襲われます。胃の中のものを全部出しても収まらず、胆液の苦みを感じたことも多いでしょう。
吐けるだけ吐こう
とにかく、吐けるだけ吐きましょう。二日酔いの時は、まだ吸収していないアルコールが胃の中にあれば、それも全部吸収してしまうと二日酔いの時間が長くなります。セルフ胃洗浄だと思って全部吐いてしまいましょう!
水分を補給しよう
吐き出しているのは飲んだ酒だけではありません。胃液などの体内からの水分も、一緒に吐き出してしまっています。アセトアルデヒドの排出には水分が必要なことと、脱水症状を避けるためにも無理にでも水分を摂りましょう。
吐き止めを飲む
どうしても吐くことができない、辛い場合には吐き止めを服用しましょう。二日酔いの状態は長く続きますが、背に腹は代えられない状況ならばしかたありません。
ツボを押す
合谷(ごうこく)という、幅広い状態に効くツボがあります。親指の付け根と人差し指の付け根の間にあるので、そこを指圧しましょう。
二日酔いの時の食べ物
二日酔いが収まってくると、胃の中身も空っぽなので何か食べたくなります。しかし、油っ気の多いものなどの胃に負担がかかるものを食べると、また吐いてしまうことがあります。二日酔いの時にいい食べ物を紹介します。
肝機能を高める食品を摂ろう
アルコールやアセトアルデヒドの分解は、肝臓が五個なっています。肝機能を高める食品をとることでそれらの分解を早め、二日酔いを早く解消することができます。
しじみの味噌汁
しじみに含まれるオルニチンには、アセトアルデヒドの分解を助ける効果があります。また、味噌にも体内から失われた塩分や水分を補給することができ、胃にも優しいです。
昔の酪農家では、牛が出産した後に味噌汁を飲ませていたという話があるほど、味噌汁の効果は確かなものがあります。
お茶やコーヒー
緑茶やコーヒーに含まれるカフェインには、血管を収縮させる効果があります。先述したむくみの解消に役立つので、頭痛を和らげることができます。胃に優しいミルクなどを混ぜて、ラテみたいにして飲むとより良いです。
果汁100%ジュース
果汁100%ジュースを飲むことで、アセトアルデヒドの分解に必要な糖分を補給し、ビタミンもとることができます。ただし、柑橘類が多く入っているものは胃に刺激が強いので、避けたほうがいいでしょう。
二日酔いの予防法
そもそも二日酔いにならないように、お酒を飲む前、飲んでいる時に対策をしましょう。二日酔いにならなければ、あんなに辛い思いはしなくて済みますからね。
肝機能を高めるサプリを摂ろう
お酒を飲む前に、ウコンなどの肝機能を高める成分が入ったサプリを摂りましょう。飲んでいる間からアルコールを分解してしまえば、二日酔いにならないというわけです。
水を飲むようにしよう
お酒だけを飲むのではなく、適度に水分を摂りましょう。二日酔いが長引くのは、脱水症状によってアルコールの分解、排出ができなくなるためです。水分を多くとり、さっさとアルコールを体外に追い出してしまいましょう。
キャベツや枝豆をおつまみにしよう
キャベツや枝豆には、アルコールの分解を助けてくれる成分が入っています。塩キャベツや枝豆は、おつまみとしては定番ですよね。お酒が進んでくると揚げ物などの油っ気が多いものが欲しくなりますが、野菜類を多くとることで胃への負担も軽減することができます。
飲みすぎないようにしよう
そもそも二日酔いは、自分のアルコール分解能力を超えた量をとることで起きます。自分の分解能力の範囲内で飲めば、悪酔いも二日酔いも避けることができるのは当然のことですよね。
ノンアルコールの飲み物もどんどん飲もう
「ビールがチェイサーだ!」という飲酒原理主義の方でも、ノンアルコールのカクテルやビールを飲むという手があります。私が10年ぐらい前に飲んだノンアルコールビールは苦くてえぐい、ビールの色とカタチをしただけのまずい液体でしたが、この間飲んだノンアルコールビールはほぼそのまんまのビールでした。ヘタな第3のビールよりもおいしいまであると思います。
企業努力って物凄いですよね。今は若年層の酒離れが進んでいて、ノンアルコールビールの売り上げも伸びているようです。その一因に、「味がおいしい」というのは間違いなく影響しています。
適度な量を守って楽しく飲酒しよう
色々と二日酔いの対策方法を紹介しました。しかし、二日酔いを避ける一番の方法は、飲みすぎない事に尽きるといっていいでしょう。楽しい飲みの場、ついつい酒が進んでしまいがちですが、そこをちょっと踏みとどまって、ノンアルコールドリンクを挟みましょう。
二日酔いの苦しみから解放されれば、せっかくの休日がベッドとトイレの往復だけで終わることがなくなり、おいしいものを食べ、アクティビティに精を出せる有意義な休日を過ごせるでしょう。
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